「お墓がない」とはどういうこと?

お墓の悩み

昭和浄苑には多くのお参りの方が来苑されます。その中にはお墓がなく、お墓を求めにくる方が少なくありません。日本消費者協会のアンケートによるとお墓がない方の割合は35,6%だそうです。10人のうち4人近くはお墓がないんです。この数年、お墓がない方で増えてきた相談は、永代供養墓についての相談です。高度経済成長時に地方から出てきた方はお墓がなく、自分で用意する必要があります。しかし、核家族化が進み少子化に歯止めが利かなくなった現在、お墓の跡継ぎに多くの方が不安を抱えています。永代供養墓はお墓の跡継ぎの心配がいらないお墓です。ですから、お墓がなく、お一人の方や娘さんが嫁がれてしまった方はもちろん、実は息子さんがいるけれど、負担をかけたくないからというご夫婦がとても多いのです。自分たちのお墓は生きている内に自分たちで準備して、子供たちには負担をかけないようにしたいという願いが共通しています。そして、そのような方たちは自分たちが入るお墓にとてもこだわりをお持ちです。
一方、最近の傾向として、「ゼロ死」という言葉も聞かれるようになりました。これは、お葬式を上げない「ゼロ葬式」とお骨を残さずお墓もない「ゼロ墓」を合わせた考え方です。私は、この考え方に触れたとき、故人さまが亡くなった直後に、瞬時に跡形もなく消滅するイメージにとらえられ、むなしい気持ちになりました。その方は、遺された方たちの心の中で本当に生き続けられるのでしょうか。お葬式でゆっくりと故人さまに思いを募らせる時間もなく、お墓がないため、お参りにも行けない。「人は二度死ぬ。それは、その人のことを忘れたときだ」という言葉を思い出します。私だったら、多分、私の中で消えて行ってしまうだろう、そう思いました。
でも、考えてみると今の職場で働くようになるまで私はお墓もお葬式も全く興味も、必要性も感じない人間だったんですね。偉そうなことは言えないです。ではなぜ変わったかというと、この職場でお参りに来る人に触れ、直接どんな思いでお参りに来ているのか、故人さまと向き合っているのかを生で聞き、そして、僧侶の法話や仏教講座の中で、お参りの意味や、お通夜お葬式を通して大切な故人さまと向き合う大切さを教えてもらったからです。
ですから、私は父親を亡くして、14年経ちますが、昨年、昭和浄苑の永代供養墓(浄縁墓)に入れるまでお墓がない状態でした。でも、石彫家の和泉正敏先生が生命を吹き込むようにして作ってくださった浄縁墓の完成に立ち合った時、絶対このお墓に自分も父親も入れたいと思ったんです。それまで、14年間、亡くなった父親と向き合ったことはなかったと思います。でも今は違うんですね。毎朝、お参りをするようになり、その中で久方ぶりに父と向き合い、今の私をどう思っているだろうとか、私にどんな生き方を望んでいたんだろうとか、考えるようになりました。それは、生前にもほとんどしなかった父親との会話です。お墓がないということはそういうことなのではないかと思います。お墓がない方は安易に「ゼロ死」を選択せず、昭和浄苑にご相談してほしいです。私たちが真剣に相談に乗ります。

  1. この記事へのコメントはありません。

  1. この記事へのトラックバックはありません。

関連記事一覧